ナリタ・ボーイをクリアしたよ!!
PS4で、1980年代をこよなく愛し、こよなくリスペクトしすぎた2Dテクノアクションゲーム「ナリタ・ボーイ」をプレイしていましたが、本日にクリアしました!
完全ノーヒントでのクリアです。プレイ時間は約10時間でした。
エンドロール
PS4での本作の全ユーザによるクリア率は23.8%でした。
というわけで、本作を振り返ってみます。
1.テクノ!
本作ナリタ・ボーイは、1980年代のサブカルチャーをテーマとしたゲームなのですが、その中でも特に本作を一言で表すなら「テクノ」と言っていいでしょう。
消費者への手頃なコストのコンピューティングが浸透し、誰でもが「近未来」を想像させるデジタル・カルチャーの恩恵を受け始めたのが1980年代ですが、
そのデジタルさを人々の脳に最も刺激を与えたのがポップスだったりインストゥルメンタルだったりのテクノ・ミュージックと、その周辺のデザインやアートやゲームなわけで、本作もまさに「テクノ」を主軸として音楽だったりデザインだったりに途轍もなく注力してありました。
1980年代をティーンズ以降で過ごした人なら、本作の音楽は余りにも懐かしさを覚えずにはいられないし、2周3周回ってテクノ・ミュージックってカッコイイもんだな、と再認識せずにはいられないと思います。私もこのテクノ・リスペクトに痺れまくりながらゲームをプレイしました。
それと、21世紀に生まれた人は、むしろ本作のテクノ・ミュージックが新鮮に思えるのではないでしょうか。
まあ、本作の曲そのものがカッコよく作られていることもあり、古臭いとかダサいという印象は抱かない感じがします。
テクノ・ミュージックだけが1980年代ではないですが、カセット・ウォークマンによる画期的過ぎる音楽機器で「自分だけのお気に入り音楽を街に持ち出す」という全く新しいカルチャーが世界を席巻したことを考えると、本作のプレイを通じて、改めてこの年代は音楽の力が抜きんでて大きいのだとつくづく思い至ったのでした。
2.純粋な2Dアクション
本作は、最近では珍しいステージクリア型の2Dアクションゲームです。
近年の流行りはローグライクだったり、メトロイドヴァニアだったり、ソウルライクだったりで、広いマップを自由に動きながら少しずつクリアに向けて主人公を強く成長させていく、というものですが、本作はそういった要素は薄く、それこそ1980年代のアーケードゲームとかファミコンで普通によくあったステージクリア形式で統一しています。
ただ、リニアにマップを進んでいくのではなく、鍵を見つけるためにステージ内のマップを行き来することが多いので、メトロイドヴァニア風味もちょっとはあります。
そうそう、本作には経験値もお金もスコアもないので、本当に純粋にアクションの結果がそのままクリアに繋がるようになっていて、そのあたりのゲームデザインは随分思い切ったものになっています。
そのため10時間前後のボリュームとはなっているのですが、アクション部分が多くを占めていることもあって、遊び応えは十分でした。
何しろ中だるみがないのが良いです。絶妙なボリュームに仕上げられていると言っていいでしょう。
それと全く成長しないかというとそうでもなく、主人公は最初は移動とジャンプのみですが、ステージを進めていくうちに印象的なスキルを入手できてその分強くなるので、その点でも飽きないような工夫がされていると感じました。
スキルは3.5インチ・フロッピーディスクの形で主人公に提供される
3.難易度
かなり程よい難易度にデザインされていて、過去にプレイした高難易度のホロウ・ナイトを難易度10とするなら、
本作は難易度6~7程度に落ち着きます。
これはメーカーが、プレイのコアとなる層を、1980年代を満喫した「40~60代のおじさん、おねえさん」と想定しているからではないでしょうか。
まあ、正直なところ、私もですが、たとえ指先でさえも俊敏な動きというのは年々しにくくなってきているわけで、
そんな中でアクションゲームは思ったように主人公を操作できなくてとても難しく感じるわけですよ。
なのでなのか、本作は主人公の動きはそれほど俊敏ではないし、それに合わせて敵やボスもデザインされているので、
「適度なスピード」でのバトルが実現できています。
これはかなりありがたいことで、「もうこの歳でアクションゲームは無理だ」と諦めている人も、本作ならなんとか対応できるのではないでしょうか。
とは言っても、特にボスは初見では撃破できないほど難しく作られています。
何度も何度もボスの強攻撃に粉砕されてゲームオーバーになることでしょう。
しかしまあ、流石は2021年3月に発売されただけあって、再チャレンジはボスのすぐ近くで始まるし、ライフも全快の状態に復元されています。
なので、プレイヤーが諦めない限りは入手したスキルをしっかり使いこなすことでボスをきっと撃破できますよ。
謎解き、ギミックについては、実はやや難しめです。
特に序盤ではなかなかヒントに気づけなくて、マップを右往左往することになるでしょう。
もしかしたら、挫折することになるとしたらこの謎解きが主因となるのかもです。
でも、なんとか序盤をクリアできたなら、後はさほど謎解きで苦しむことにはならないと思います。
4.やり込み、ボリューム
本作は1周のプレイ時間が10時間くらいではありますが、1周目で全てのエンディングを見ることはできないようになっています。
私もそうでしたが、初見では「見逃しやすい」場所というのが多くあるため、見逃したままステージをクリアしてしまうという事態に遭遇します。
とあるアイテムを全て集めないとどうやら真エンディングには辿り着けない、ということに最終盤辺りで気づくので、1周目は普通エンディングを観ることになる人が大半だと思います。
本作は強くてニューゲームとかエキストラゲームのようなものは用意されていなようなので、同じコンテンツを再度繰り返すことになりますが、何しろ1周が10時間程度なので、さほど苦ではないと予想しています。
2周目ではきっとプレイヤーが「気づく」ことも増えていると思いますので、総プレイ時間は20時間辺りに落ち着くことになるのでしょう。
純粋なアクションゲームとしては十分なボリュームだと思いますよ。
5.総合評価
という感じで本作を星10個満点で評価するなら以下のようになるでしょう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
2Dアクションゲームとしての面白さが十分にあるため、この時点で高評価となります。
それと1980年代のサブカルチャーからブレないようにシナリオ管理が徹底されており、この点も素晴らしいです。
「ナリタ・ボーイ」という日本の「昭和」も取り入れているのも個人的には評価できるポイントです。
満点ではないのは、やはり本作を最も楽しめるのが1980年代を経験した人となるため、
それ以外の年代の人は本作の面白さを十分に享受できないかもしれないと思ったからです。
でもまあシナリオを完璧に理解することが即ち完璧な面白さに繋がるというわけでもないので、
他の年代の人も「レトロな新鮮味」を本作でしっかり味わうことができるでしょう。
何しろ、2Dアクションゲームとしてはとても良くできているわけですから、この安価なゲームをプレイしない手はありません。
さあ、全ての人が今こそ本作をプレイするべきです!
6.ベースとなった世界観
本作は間違いなく映画「トロン(オリジナル)」および「トロン:レガシー」のオマージュでしょう。
というわけで、トロンのどちらかの作品を観たなら本作のプレイを超絶お勧めしますし、
あるいは、本作から1980年代の不思議な魅力に興味を抱いたのなら、これらの映画を視聴することをお勧めします。
きっと本作と映画トロンシリーズの親しい相関に無上の喜びを得られることでしょう。
後は、1980年代のその他のSF映画も本作のプレイをきっかけに観てみるのも良いかと。
そうそう、もちろん1980年代のゲームもプレイしてみましょうよ。シビアなゲームが多い感じではありますが、21世紀のゲームにはないシンプルで尖った面白さがあるのできっと虜になるはずです! さあさあさあ! すぐにプレイしましょうや!
キャプチャーギャラリー
とあるエリアに進むためにはこの鍵を合わせなければならない
印象的な場所
本作のプレイ例(他の方の動画です)
公式トレーラー(switch版) ※いろいろなシーンが出てくるので完全初見を好む方はご注意
完全ノーヒントでのクリアです。プレイ時間は約10時間でした。
エンドロール
PS4での本作の全ユーザによるクリア率は23.8%でした。
というわけで、本作を振り返ってみます。
1.テクノ!
本作ナリタ・ボーイは、1980年代のサブカルチャーをテーマとしたゲームなのですが、その中でも特に本作を一言で表すなら「テクノ」と言っていいでしょう。
消費者への手頃なコストのコンピューティングが浸透し、誰でもが「近未来」を想像させるデジタル・カルチャーの恩恵を受け始めたのが1980年代ですが、
そのデジタルさを人々の脳に最も刺激を与えたのがポップスだったりインストゥルメンタルだったりのテクノ・ミュージックと、その周辺のデザインやアートやゲームなわけで、本作もまさに「テクノ」を主軸として音楽だったりデザインだったりに途轍もなく注力してありました。
1980年代をティーンズ以降で過ごした人なら、本作の音楽は余りにも懐かしさを覚えずにはいられないし、2周3周回ってテクノ・ミュージックってカッコイイもんだな、と再認識せずにはいられないと思います。私もこのテクノ・リスペクトに痺れまくりながらゲームをプレイしました。
それと、21世紀に生まれた人は、むしろ本作のテクノ・ミュージックが新鮮に思えるのではないでしょうか。
まあ、本作の曲そのものがカッコよく作られていることもあり、古臭いとかダサいという印象は抱かない感じがします。
テクノ・ミュージックだけが1980年代ではないですが、カセット・ウォークマンによる画期的過ぎる音楽機器で「自分だけのお気に入り音楽を街に持ち出す」という全く新しいカルチャーが世界を席巻したことを考えると、本作のプレイを通じて、改めてこの年代は音楽の力が抜きんでて大きいのだとつくづく思い至ったのでした。
2.純粋な2Dアクション
本作は、最近では珍しいステージクリア型の2Dアクションゲームです。
近年の流行りはローグライクだったり、メトロイドヴァニアだったり、ソウルライクだったりで、広いマップを自由に動きながら少しずつクリアに向けて主人公を強く成長させていく、というものですが、本作はそういった要素は薄く、それこそ1980年代のアーケードゲームとかファミコンで普通によくあったステージクリア形式で統一しています。
ただ、リニアにマップを進んでいくのではなく、鍵を見つけるためにステージ内のマップを行き来することが多いので、メトロイドヴァニア風味もちょっとはあります。
そうそう、本作には経験値もお金もスコアもないので、本当に純粋にアクションの結果がそのままクリアに繋がるようになっていて、そのあたりのゲームデザインは随分思い切ったものになっています。
そのため10時間前後のボリュームとはなっているのですが、アクション部分が多くを占めていることもあって、遊び応えは十分でした。
何しろ中だるみがないのが良いです。絶妙なボリュームに仕上げられていると言っていいでしょう。
それと全く成長しないかというとそうでもなく、主人公は最初は移動とジャンプのみですが、ステージを進めていくうちに印象的なスキルを入手できてその分強くなるので、その点でも飽きないような工夫がされていると感じました。
スキルは3.5インチ・フロッピーディスクの形で主人公に提供される
3.難易度
かなり程よい難易度にデザインされていて、過去にプレイした高難易度のホロウ・ナイトを難易度10とするなら、
本作は難易度6~7程度に落ち着きます。
これはメーカーが、プレイのコアとなる層を、1980年代を満喫した「40~60代のおじさん、おねえさん」と想定しているからではないでしょうか。
まあ、正直なところ、私もですが、たとえ指先でさえも俊敏な動きというのは年々しにくくなってきているわけで、
そんな中でアクションゲームは思ったように主人公を操作できなくてとても難しく感じるわけですよ。
なのでなのか、本作は主人公の動きはそれほど俊敏ではないし、それに合わせて敵やボスもデザインされているので、
「適度なスピード」でのバトルが実現できています。
これはかなりありがたいことで、「もうこの歳でアクションゲームは無理だ」と諦めている人も、本作ならなんとか対応できるのではないでしょうか。
とは言っても、特にボスは初見では撃破できないほど難しく作られています。
何度も何度もボスの強攻撃に粉砕されてゲームオーバーになることでしょう。
しかしまあ、流石は2021年3月に発売されただけあって、再チャレンジはボスのすぐ近くで始まるし、ライフも全快の状態に復元されています。
なので、プレイヤーが諦めない限りは入手したスキルをしっかり使いこなすことでボスをきっと撃破できますよ。
謎解き、ギミックについては、実はやや難しめです。
特に序盤ではなかなかヒントに気づけなくて、マップを右往左往することになるでしょう。
もしかしたら、挫折することになるとしたらこの謎解きが主因となるのかもです。
でも、なんとか序盤をクリアできたなら、後はさほど謎解きで苦しむことにはならないと思います。
4.やり込み、ボリューム
本作は1周のプレイ時間が10時間くらいではありますが、1周目で全てのエンディングを見ることはできないようになっています。
私もそうでしたが、初見では「見逃しやすい」場所というのが多くあるため、見逃したままステージをクリアしてしまうという事態に遭遇します。
とあるアイテムを全て集めないとどうやら真エンディングには辿り着けない、ということに最終盤辺りで気づくので、1周目は普通エンディングを観ることになる人が大半だと思います。
本作は強くてニューゲームとかエキストラゲームのようなものは用意されていなようなので、同じコンテンツを再度繰り返すことになりますが、何しろ1周が10時間程度なので、さほど苦ではないと予想しています。
2周目ではきっとプレイヤーが「気づく」ことも増えていると思いますので、総プレイ時間は20時間辺りに落ち着くことになるのでしょう。
純粋なアクションゲームとしては十分なボリュームだと思いますよ。
5.総合評価
という感じで本作を星10個満点で評価するなら以下のようになるでしょう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
2Dアクションゲームとしての面白さが十分にあるため、この時点で高評価となります。
それと1980年代のサブカルチャーからブレないようにシナリオ管理が徹底されており、この点も素晴らしいです。
「ナリタ・ボーイ」という日本の「昭和」も取り入れているのも個人的には評価できるポイントです。
満点ではないのは、やはり本作を最も楽しめるのが1980年代を経験した人となるため、
それ以外の年代の人は本作の面白さを十分に享受できないかもしれないと思ったからです。
でもまあシナリオを完璧に理解することが即ち完璧な面白さに繋がるというわけでもないので、
他の年代の人も「レトロな新鮮味」を本作でしっかり味わうことができるでしょう。
何しろ、2Dアクションゲームとしてはとても良くできているわけですから、この安価なゲームをプレイしない手はありません。
さあ、全ての人が今こそ本作をプレイするべきです!
6.ベースとなった世界観
本作は間違いなく映画「トロン(オリジナル)」および「トロン:レガシー」のオマージュでしょう。
というわけで、トロンのどちらかの作品を観たなら本作のプレイを超絶お勧めしますし、
あるいは、本作から1980年代の不思議な魅力に興味を抱いたのなら、これらの映画を視聴することをお勧めします。
きっと本作と映画トロンシリーズの親しい相関に無上の喜びを得られることでしょう。
後は、1980年代のその他のSF映画も本作のプレイをきっかけに観てみるのも良いかと。
そうそう、もちろん1980年代のゲームもプレイしてみましょうよ。シビアなゲームが多い感じではありますが、21世紀のゲームにはないシンプルで尖った面白さがあるのできっと虜になるはずです! さあさあさあ! すぐにプレイしましょうや!
キャプチャーギャラリー
とあるエリアに進むためにはこの鍵を合わせなければならない
印象的な場所
本作のプレイ例(他の方の動画です)
公式トレーラー(switch版) ※いろいろなシーンが出てくるので完全初見を好む方はご注意
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